内装施工分野で技能実習生の受け入れを検討している企業の方からは、次のようなお悩みがよく聞かれます。
- どの作業が技能実習の対象になるのか明確に知りたい
- 受け入れ時の手続きや実習計画書の作り方が分からない
- 安全教育や日本語指導など、現場での指導体制に不安がある
この記事では、内装仕上げ施工として認められている作業内容、評価試験、受け入れ要件、現場での育成ポイントまで体系的に整理しています。制度に沿った適切な技能移転を進めるために、必要な準備と実務ポイントを理解できる内容となっています。
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内装施工分野とは?技能実習制度における位置づけ

内装施工は建設分野の「内装仕上げ施工」職種に含まれる
内装施工は、技能実習制度における建設分野(22職種33作業)のひとつである「内装仕上げ施工」職種に該当します。壁・床などの仕上げに関わる作業を中心とした職種で、技能移転の観点から段階的に技能を習得していく仕組みが求められます。実習実施者は、技能実習計画に基づき制度の範囲内で計画的に技能を指導する必要があります。
どの作業が対象になるのか?
内装仕上げ施工の代表的な作業は制度で明確に定められています。
実習生が従事できる主な作業は次のとおりです。
- ボード張り(壁・天井の石こうボード施工)
- 床仕上げ(フローリング・シート・タイルなど)
- クロス施工(壁紙貼りや下地処理)
これらは仕上がりの品質に直結するため、材料特性や安全手順の理解が欠かせません。
技能実習制度の目的と内装施工で求められる技能
技能実習制度は「技能移転による国際協力」を目的として運用されています。内装仕上げ施工(内装施工)では、寸法取り、工具操作、施工手順の理解など基礎的な技能を段階的に習得していくことが求められます。丁寧な作業や安全確認が品質に大きく影響するため、初期段階で基礎固めを行うことが重要です。
内装施工分野の特徴(壁・床・天井の基礎作業から応用へ)
内装施工は建物内部の仕上げ工程を担うため、基礎から応用へと進む成長ステップが見られる分野です。
以下は、一般的な技能習得のイメージ です。
- 1号段階:材料理解、寸法確認、下地づくりなど基礎的な作業の習得
- 2号段階:ボード張りやクロス施工など、より応用的な作業への移行
- 現場判断:材料や環境に応じた施工手順の選択など、状況に応じた判断が必要となる場合があります(安全管理は実習実施者が担います)
段階的な指導によって技能習得が安定し、より確実な技能移転につながります。
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技能実習生が行う内装施工の具体的な作業内容
ボード張り作業(壁・天井)
ボード張り作業では、主に壁の下地に石こうボードを取り付けます。寸法を正確に測り、ビスの間隔を均等に保ち、図面に沿って貼り付けることが求められます。天井の施工を行う場合もあり、重量物の取り扱いや脚立の使用を伴うため、安全教育を適切に行う必要があります。
床仕上げ作業(フローリング・シート・タイルなど)
床仕上げ作業では、床面の水平を確認しながらフローリング材やビニールシート、タイルなどを施工します。これらの材料は性質が異なるため、施工方法にも違いがあります。技能実習では、対象となる作業の範囲に応じて、下地づくりから仕上げ作業へと段階的に進める場合があります。
- 傷がつかないよう養生を行う
- 接着剤の使用量調整する
- 施工後の段差を確認する
クロス施工(壁紙貼り)
クロス施工では、壁紙を貼る前にパテ処理を行い、表面を平滑に整えます。気泡が入らないように貼り付け、継ぎ目を丁寧に処理することが重要です。細かな手作業が多く、丁寧さと集中力が求められます。
下地づくり・パテ処理・木造/コンクリート下地の理解
内装工事では、コンクリート下地・木造下地の違いを理解し、適切な施工方法を選択することが基本です。パテ処理も仕上がりを左右する要素であり、技能実習生は基礎段階から繰り返し学ぶ必要があります。

内装施工分野で技能実習生を受け入れるための主な要件
在留資格取得と評価試験(基礎級・随時3級・随時2級)
内装施工分野で技能実習を行うためには、在留資格「技能実習」を取得し、制度で定められた技能評価試験を受験します。試験は基礎級、随時3級、随時2級と段階的に区分されており、技能レベルを確認しながら実習を進める仕組みです。制度は法令や通知に基づいて運用されるため、最新情報を専門家へ確認することが望ましいです。
[技能実習生等向け技能検定の概要]についてはこちらを参照ください。▶ 厚生労働省
技能実習1号・2号の段階整理
技能実習1号は基礎習得段階であり、実習計画書に沿って基本的な施工技術を学びます。随時3級に合格し、かつ基準を満たすことで技能実習2号へ移行し、より実践的な作業が可能となる場合があります。
技能実習生の受け入れ人数枠と団体監理型の役割
技能実習生の受け入れ人数は、制度で規定された基準に基づいて算定されます。団体監理型は実習実施者の監査や指導を行い、技能実習が適切に実施されるよう支援します。一般的に協同組合など非営利法人を母体としており、実習生の生活支援や相談対応も行います。
日本語理解・安全指示の理解が必要になる理由
内装施工は図面確認や寸法理解、工具操作など、日本語での指示を正確に理解する必要があります。安全指示の聞き取りが不十分な場合、事故につながる可能性があるため、日常会話レベルの日本語能力が求められます。
受け入れ準備で必要な手続きと実習計画書の作り方
実習計画書の作成ポイント(技能移転の観点)
実習計画書は制度で最も重要な書類の一つです。内装仕上げ施工のどの作業を、どの順序で習得していくかを明確に示し、技能移転の観点から適切な計画を立てる必要があります。
実習指導員・生活指導員の配置基準
実習指導員には原則として5年以上の実務経験が求められます。生活指導員は日常生活面の支援を担当し、実習生が不安を抱えないよう環境を整える役割があります。
- 現場ルールの説明
- 生活相談対応
- 日本語学習のサポート
併せて読みたい ▶ 技能実習生の生活指導員とは?講習の内容・役割・配置義務までわかりやすく解説
内装工事で必要な安全教育(工具・脚立・荷運びなど)
内装施工では電動工具や脚立を使用するため、安全教育が不可欠です。荷運びや材料の取り扱いにもリスクが伴うため、日ごろから安全確認を徹底します。
宿舎・生活サポート体制の整備
宿舎は制度に定められた基準に沿って整備し、寝室・衛生設備・通信環境などが適切に確保されている必要があります。生活指導体制を整えることで、技能実習生が安心して過ごせる環境をつくることができます。

内装施工分野での技能評価試験の内容
基礎級で問われる内容
基礎級は技能実習1号で受験する評価試験で、内装仕上げ施工に必要な基本技能と安全知識を確認します。学科では工具名称や施工手順などが問われ、実技ではボードの取り扱いなど基礎的な作業を評価します。安全を確保しながら作業手順を理解しているかが重要です。
随時3級の学科・実技のポイント
随時3級は技能実習2号への移行要件であり、基礎より踏み込んだ技能理解が求められます。
□ 学科:施工計画・材料特性・安全衛生の確認項目が中心
□ 実技:ボード張りや床下地づくりなど、現場作業に近い内容が含まれる場合がある
□ 判断力:壁・天井・床の材料特性に合わせた施工判断
基礎よりも実務に近い技能が評価される段階です。
随時2級で求められる技能レベル
随時2級では、内装仕上げの高度な施工技能が求められます。クロス施工の継ぎ目処理や床仕上げの段差調整など、品質に差が出やすい作業が含まれる場合があり、実務経験にもとづく丁寧な施工が重要です。安全への配慮も含め、総合的な技能が確認されます。
技能評価試験、合格後の技能習熟プロセス
評価試験合格後は、現場で実践しながら技能を定着させていきます。
- 基礎作業の反復で精度を高める
- 材料特性に応じた判断力を強化
- 仕上げ作業の品質向上を図る
合格は通過点であり、現場経験を通じて技能移転が進むよう継続的な指導が求められます。
実習生の育成方法と現場での教育ポイント
OJTの進め方(初期指導→応用作業へ)
内装施工の育成は、基礎から応用へ段階的に進めるOJTが効果的です。入国直後は材料運搬や下地確認などの基本作業に慣れることを優先します。その後、ボード張りや床下地づくりといった主要作業に広げ、対象となる作業の範囲に応じて、技能実習2号の段階ではクロス施工や床仕上げなど精度が求められる作業へ移行します。計画的に技能レベルを高めることで実習効果が安定します。
図面読解・寸法理解の教育
図面読解は内装工事で欠かせない基本技能です。特に寸法理解は施工精度に直結するため、図面の見方、測定の手順、誤差確認などを段階的に説明します。実際の施工図を用いて学ぶことで理解が深まりやすく、壁や天井のボード寸法、床材の割付など現場で必要な判断力を身につけられます。
コミュニケーション支援(日本語学習・安全指示)
技能実習生が現場で安全に作業するためには、日本語による指示の理解が欠かせません。特に危険箇所や注意事項は誤解が事故につながる可能性があるため、明確な指示が重要です。
以下のような支援環境を整えると効果的です。
- 簡潔で明瞭な日本語で安全指示を出す
- 指示を繰り返し確認する習慣をつける
- 日常会話レベルの日本語学習を継続支援する
これにより安全配慮が徹底され、作業の正確性も高まります。
内装施工分野で技能実習を進める際の注意点
労働条件は日本人と同等以上であること
技能実習生の労働条件は、日本人と同等以上でなければなりません。建設現場では労働時間、安全対策、休憩の取り方などを適切に管理する必要があります。制度上、労働力確保が目的ではないため、技能移転に適した環境を整えることが求められます。
時間管理・休日・安全確保
内装施工では作業に集中する場面が多く、安全管理や時間配分が重要になります。
- 作業時間の管理と適切な休憩
- 電動工具や脚立の使用時の安全確認
- 材料運搬・ボード取り扱い時の基本動作の徹底
無理のある作業割り振りは事故につながる可能性があるため、計画的管理が必須です。
実習生の相談体制・メンタルケア
技能実習生が生活や仕事で悩みを抱えた場合、相談できる体制が整っていることが大切です。生活指導員による相談受付や、団体監理型の定期的な巡回が精神的な安心感を生み、トラブルの早期対応にもつながります。言語・文化の違いを踏まえた丁寧な支援が必要です。
団体監理型が提供するサポート内容
団体監理型は、実習が適切に行われるよう監査や管理を担う役割があります。
- 実習実施者の監査と法令遵守の確認
- 実習生の生活支援・相談対応
- 日本語学習や適応支援のフォロー
受け入れ企業と技能実習生の双方をサポートし、制度に沿った運用を支えます。
まとめ
内装施工分野の技能実習は、壁・天井・床の下地から仕上げまで段階的に技能を習得していく仕組みです。技能移転を目的としているため、実習計画書の作成、評価試験への対応、安全教育、生活支援を丁寧に整えることが重要です。段階的なOJTや図面理解の指導、日本語学習の支援によって、技能実習生は安心して技能を身につけることができます。法令に沿った適切な受け入れ体制を整え、現場での技能習得を支援することが求められます。
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- 実習生を支える、きめ細やかなサポート体制
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