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特定技能「自動車整備」の雇用条件とは?受け入れ時の注意点を徹底解説!

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自動車整備分野でも人手不足が深刻化する中、外国人材の力を活用する動きが広がっています。こうした背景を受けて、整備業界も「特定技能制度」の対象分野に追加されました。特定技能1号を取得した外国人は、一定の条件を満たすことで、日本の自動車整備業に従事することが可能になります。本記事では、特定技能自動車整備分野の制度概要、評価試験、雇用条件や受け入れ要件、さらに実際に採用する際の注意点や支援体制まで、実務的な視点から詳しく解説します。整備現場で外国人材の活用を検討している事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

 

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特定技能自動車整備分野の制度概要と導入背景

自動車整備業は、長年にわたって人手不足が続いており、国内人材のみで業務をまかなうことが難しくなっています。こうした状況に対応するため、特定技能制度が導入され、自動車整備分野もその対象となりました。ここでは、制度が生まれた背景と、自動車整備業がどのように制度に組み込まれているかを整理します。

整備分野での人手不足と制度導入の目的

日本の自動車整備業界では、整備士の高齢化や若年層の業界離れにより、人手不足が続いています。とくに中小規模の整備工場や地方の事業所では、深刻な人材不足が続いており、分解整備などの専門作業を安定的に行える体制の確保が課題となっています。

このような背景のもと、2019年に「特定技能制度」が施工され、即戦力となる外国人材の受け入れが可能となりました。自動車整備分野もその対象とされ、一定の条件を満たした外国人が整備士として就労できる環境が整備されています。

制度の狙いは、単に人数を補うことではなく、「道路運送車両法」などに準拠した技術レベルと安全性の維持にあります。つまり、国家資格を持たない外国人であっても、必要な試験を通じて技能を証明すれば、現場での整備業務に従事できるという新たな枠組みです。

特定技能制度における自動車整備分野の位置づけ

特定技能制度は、深刻な人材不足に対応するために2019年に創設された在留資格制度であり、自動車整備分野はその中でも高い専門性が求められる分野として位置づけられています。制度開始当初は特定技能1号のみが対象でしたが、2023年6月9日の閣議決定により2号の対象分野にも追加され、2024年7月16日より特定技能2号評価試験が開始されました。

現在、自動車整備分野では以下2種類の在留資格が活用できます。

■ 特定技能1号

即戦力としての技能と日本語能力を持つ外国人が対象で、以下が主な要件です。

  • 「自動車整備分野特定技能1号評価試験」または「自動車整備士技能検定3級」に合格

  • 日本語能力試験(JLPT N4以上)またはJFT-Basicに合格

  • 雇用先が地方運輸局長の認証を受けた認証整備工場であること

  • 技能実習2号修了者は評価試験が免除される可能性あり

  • 在留期間は通算5年まで(更新制)

■ 特定技能2号

熟練した技能を持つ外国人が対象で、長期の在留・家族帯同が可能です。以下の条件を満たす必要があります。

  • 「自動車整備分野特定技能2号評価試験」に合格

  • 特定技能1号での実務経験を有し、一定の技術・業務遂行能力が確認される

  • 在留期間の上限なし(更新可)・配偶者・子の帯同可

制度運用は出入国在留管理庁と国土交通省の連携のもとで行われており、また業界団体として「整備分野特定技能協議会」が設置され、受け入れ企業は活動報告や制度改善提案への協力義務を負います。

このように自動車整備分野は、特定技能制度の中でも制度進展が早く、専門性・定着性の両面で注目される分野となっており、今後もさらなる制度整備が進む可能性があります。

外国人が対応できる整備業務の範囲と条件

特定技能自動車整備分野では、従事できる業務範囲が制度上で明確に定められています。日本の整備業界は、技術力と法令遵守が重視される分野であるため、外国人材が行える作業には一定の基準があります。制度を適切に活用するためには、その範囲と制限を正しく理解しておく必要があります。

対象となる整備内容と「分解整備」の基準

特定技能外国人が就労できる業務の中心となるのは、いわゆる「分解整備」です。これは道路運送車両法に基づく整備の区分であり、自動車の主要部品を分解・点検・修理する作業を指します。具体的には、以下のような整備が該当します。

  • ブレーキやステアリング装置などの分解と組み立て
  • エンジン部品の点検・修理・清掃
  • サスペンションや駆動装置の整備・調整

分解整備は、安全性に直結する作業であるため、一定の技術水準と経験が必要とされており、外国人材がこれらの作業を行うには、事前に評価試験の合格技能実習の修了が求められます。

また、分解整備を行う事業者も「地方運輸局長から認証を受けた整備工場」でなければなりません。これは、制度の信頼性を確保し、法令に基づいた運用を維持するための条件です。

日常点検・一般整備との違いと注意点

分解整備に対し、「日常点検」や「一般整備」はより軽微な作業として位置づけられます。例えば、以下のような作業が該当します。

  • タイヤの空気圧点検や交換
  • オイル・冷却水の補充
  • ランプやワイパーの確認と交換

これらは法的に特定技能の対象業務とは見なされない場合もありますが、実務上はセットで行われることが多く、整備士としての基本動作として指導されることもあります。

注意すべきなのは、外国人が対象外の作業に従事してしまうと、在留資格違反となるリスクがある点です。そのため、業務範囲の明確化と、現場での適切な業務管理が不可欠です。

また、受入れ企業は業務内容を雇用契約書と支援計画書に明記し、登録支援機関や協議会との連携を通じて、運用が適正に行われているか確認する体制を整える必要があります。

 

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評価試験と在留資格取得の流れ

特定技能自動車整備分野で外国人を雇用するには、所定の試験に合格し、在留資格を取得する必要があります。このプロセスは、日本国内で働くための「入口」ともいえる重要なステップであり、外国人本人だけでなく、受け入れ企業側にも制度の理解と対応が求められます。

自動車整備分野における評価試験の内容と難易度(1号・2号)

外国人が自動車整備分野で特定技能の在留資格を得るには、「特定技能1号評価試験」または「特定技能2号評価試験」のいずれかに合格する必要があります。どちらも国土交通省の監督のもと実施される公式試験であり、在留資格の取得要件として位置づけられています。

■ 特定技能1号評価試験

特定技能1号は、即戦力としての基礎技能と日本語能力を有する外国人材を対象としています。試験は以下の2科目に分かれています。

  • 学科試験:自動車整備に関する基礎知識、関連法令、安全管理など

  • 実技試験:基本的な点検作業、工具の使用方法、作業手順の正確性

この試験は国内外で定期的に実施され、受験には事前の申し込みが必要です。希望者が多い場合は抽選となる場合もあり、合格者には証明書が交付され、在留資格申請の際に提出することになります。

難易度は、実務経験者にとっては基礎的なレベルで、しっかり準備すれば合格は十分可能です。ただし、日本語での出題のため、語彙力や用語の理解が不可欠です。

■ 特定技能2号評価試験(2024年7月開始)

2024年7月より、高度な技能を有する人材を対象とした「特定技能2号評価試験」もスタートしました。2号は長期的な在留・家族帯同が可能な資格であり、より高い専門性と熟練度が求められる点が特徴です。

試験では、以下のような項目が評価されます。

  • 整備業務の総合的な理解と応用力
  • 各種自動車機器の構造把握と整備計画の策定能力
  • 実践的なトラブルシューティング・故障診断スキル
  • 職場安全・工程管理・法令順守などへの対応力

特定技能1号よりも試験内容の専門性・業務範囲が広く、実務経験に基づく判断力や作業精度が重視されます。

2号は比較的新しい制度であるため、今後も評価基準や試験方式が拡充・見直される可能性があります。受験者は、最新の試験情報やガイドラインを確認のうえで対策を進めることが重要です。

日本語能力・技能実習との関係と免除条件

在留資格の取得には、技能評価試験に加えて日本語能力の証明も必要です。具体的には、以下のいずれかの試験で一定水準をクリアすることが求められます。

  • 日本語能力試験(JLPT)N4以上
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

これにより、現場での基本的なコミュニケーションが可能であることが確認されます。日本語が不得手な場合、評価試験の理解にも影響するため、語学学習は合格の鍵となります。

また、過去に技能実習2号を良好に修了した者については、評価試験および日本語試験の一部または全てが免除される場合があります。たとえば、自動車整備職種で技能実習を終えた方は、評価試験なしで特定技能1号への移行が可能となることがあります。

このように、特定技能制度は多様な経歴を持つ外国人材を受け入れる柔軟な仕組みとなっており、採用前に該当者の経歴を十分に確認し、適切な申請ルートを選ぶことがポイントです。

受け入れ企業に求められる条件と支援体制

外国人整備士を特定技能自動車整備分野で受け入れるためには、企業側にも制度上の要件や支援体制の整備が求められます。ただ単に雇用契約を結ぶだけでなく、就労環境や生活面でのサポート体制を含めて、責任を持った受け入れが必要です。

雇用契約と支援内容の整備

まず、受け入れ企業は外国人との間で適正な雇用契約を締結しなければなりません。契約書には以下の内容を明確に記載する必要があります。

  • 労働時間、休日、賃金、勤務地、業務内容
  • 社会保険への加入や交通費支給の有無
  • 特定技能として従事する業務範囲の詳細
  • 契約期間と更新条件、解雇・退職時のルール

この契約は日本人労働者と同等以上の待遇を確保することが原則であり、不当な労働条件が設定されていた場合、在留資格が認められないことがあります。

加えて、企業は「支援計画」を作成し、外国人材がスムーズに就労・生活できるようサポートする責任を負います。支援内容には以下のような項目が含まれます。

  • 入国時・就業前のオリエンテーション実施
  • 生活支援(住居探し、口座開設、役所手続き等)
  • 日本語学習機会の提供
  • 定期的な面談と相談対応

これらの支援は、登録支援機関に委託することも可能です。初めて外国人材を雇用する企業にとっては、制度に精通した支援機関と連携することで、法令違反のリスクを避ける効果も期待できます。

登録支援機関・協議会との連携と報告義務

特定技能制度では、企業単独で全ての支援を行うこともできますが、登録支援機関と契約して一部業務を委託するケースが多くなっています。登録支援機関は出入国在留管理庁に登録された専門機関であり、外国人への定着支援を体系的に実施できる体制を備えています。

また、特定技能自動車整備分野では、業界全体で制度を適正に運用するために「自動車整備分野特定技能協議会」が設置されています。受け入れ企業は、協議会に所属し、以下のような対応を求められることがあります。

  • 定期的な業務・支援状況の報告
  • 制度運用に関する意見交換・研修への参加
  • 不適切な事例や改善点の共有

このような体制により、特定技能制度は個々の雇用にとどまらず、分野全体での受け入れ品質を維持・向上させることが目指されています。

企業としては、支援体制や報告義務を一時的な対応と捉えるのではなく、中長期的な人材戦略の一環として整備することが重要です。

雇用後の注意点と制度運用上のポイント

特定技能外国人を受け入れたあとも、企業には継続的な管理と支援が求められます。就労環境が整っていない場合、外国人材の早期離職や制度違反につながるおそれがあるため、雇用後の運用にも十分な配慮が必要です。

労働時間・安全管理に関する留意点

自動車整備業は、工具や機械を扱う作業が多く、労働災害のリスクが伴う業種です。そのため、受け入れ企業は外国人材に対しても、日本人と同等の安全教育と労働管理を行わなければなりません。

具体的には、以下の点に注意が必要です。

  • 労働時間の適正管理(法定労働時間内での運用)
  • 安全衛生教育の実施(作業前・定期)
  • 工具・機器の使用方法の説明とマニュアルの整備
  • 熱中症や寒暖差への配慮(季節要因の対策)

また、外国人材が日本語に不慣れな場合は、図やイラスト入りの資料や、やさしい日本語表現を使い、理解しやすい環境を整えることが重要です。理解不足による事故は、企業にとっても重大な責任を問われる可能性があります。

就労時間の超過や休日出勤が常態化しているような職場では、在留資格の更新や協議会への報告で問題が発覚するケースもあるため、日常的な勤務状況の記録と改善の姿勢が求められます。

定着支援と生活面のフォロー体制

外国人材が安心して長く働き続けるためには、職場内だけでなく生活面での支援体制も重要です。特定技能制度では、生活支援の提供も受け入れ企業または登録支援機関の義務とされています。

具体的には、以下のような取り組みが効果的です。

  • 生活ルールやゴミ出し、交通マナーの説明
  • 地域の外国人相談窓口や病院の案内
  • 休日の過ごし方や趣味活動の紹介
  • 社内での外国人同士のネットワーク形成

また、住居の確保や更新手続きの補助も重要な支援の一つです。言語や文化の違いによる孤立を防ぐために、定期的な面談やアンケートを通じた心身の状態把握も推奨されます。

こうした定着支援は、離職率の低下、社内の多文化理解の促進、生産性の向上にもつながります。単なる法令順守のためだけでなく、企業全体の持続可能な人材活用戦略の一部として捉えることが大切です。

まとめ

特定技能自動車整備分野は、人材不足に悩む整備業界にとって有効な手段ですが、制度の活用には評価試験の理解、適正な雇用契約、支援体制の整備など多面的な準備が必要です。分解整備などの専門業務を安全に任せるためには、在留資格の要件や登録支援機関との連携も重要です。雇用後も生活支援や職場環境への配慮を行い、長期的な定着を実現することで、外国人材と企業双方にとって有益な制度運用が可能になります。

 

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ABOUT ME
監修者:新田悟朗
【オープンケア協同組合 監事】 平成28年11月にオープンケア協同組合を設立。 監理団体としての許可、登録支援機関の登録を経て、現在は監事として従事している。協同組合の信頼性を担保し適切な運営がなされているか監査する。日本語教育機関の運営からグローバルな視点を常に持ち続けることで、日本が必要とする地域発展や多文化共生の考え方を中心として、外国人人材に関し専門的に活動している。