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外食業の人材不足を解消!特定技能「外食業」の受け入れ要件と採用方法を徹底解説

外食業の人材不足を解消! 特定技能「外食業」の受け入れ要件と 採用方法を徹底解説のアイキャッチ

日本の外食業では、深刻な人手不足が続いており、安定した人材確保が大きな課題となっています。こうした状況を受けて導入されたのが、即戦力となる外国人材を対象とした「特定技能制度」です。中でも外食業分野は、調理・接客といった日常業務をカバーしつつ、企業の雇用現場に大きな変化をもたらしています。本記事では、特定技能制度の概要をはじめ、受け入れ要件や対応可能な業務範囲試験制度の仕組み企業側の実務対応まで、現場で役立つ情報をわかりやすく解説します。外国人材の採用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

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特定技能外食業分野の概要と制度の背景

外食業分野は、深刻な人手不足に対応するために「特定技能制度」の対象に追加された職種のひとつです。ここでは、制度が導入された背景と、外食業がどのように制度内で位置づけられているのかを解説します。

外食業界における人手不足の現状と課題

日本の外食産業は、長時間労働・低賃金という構造的課題を抱えながら、慢性的な人材不足に直面しています。特に中小規模の飲食店や地方の店舗では、人手を確保することが難しく、営業の維持すら困難になる場合も少なくありません。

農林水産省や出入国在留管理庁によると、外食業界の労働力不足は全国的に広がっており、今後も需要の増加が見込まれる中で、安定した人材の確保が業界全体の課題とされています。

こうした背景を受けて、2019年から「特定技能制度」の対象として「外食業分野」が加わり、外国人が調理や接客といった店舗運営業務に従事できる仕組みが整えられました

特定技能制度における外食業分野の位置づけ

特定技能制度は、人手不足が深刻な産業分野を対象に、一定の技能と日本語能力を有する外国人が就労できるように設けられた在留資格制度です。外食業分野はこの制度における第9分野として定義され、「特定技能1号」の資格での就労が認められています。

対応可能な業務には以下のような特徴があります。

  • 店舗内での調理、配膳、レジ業務などの直接的なサービス提供
  • 店内清掃や簡単な仕込みなど、現場オペレーションの一部
  • 管理職ではなく、あくまで現場業務への従事が前提

また、外食業での特定技能外国人は、在留期間が最長5年に制限されておりますが、2号への移行は可能です。家族の帯同も不可となっており、制度の目的は即戦力の就労支援に特化しています。

この制度を適正に運用するためには、企業側の理解と対応が不可欠です。雇用契約の整備、受け入れ体制の構築、登録支援機関との連携など、制度を活用するうえで求められる条件をしっかり把握する必要があります。

特定技能外国人が対応できる業務内容とは

特定技能外食業分野では、外国人が従事できる業務の範囲が明確に定められており、業務内容によっては在留資格の対象外となる場合もあります。企業が適切に外国人材を活用するには、制度で認められている具体的な作業内容をしっかりと理解することが重要です。

調理・接客・店舗運営などの対象業務

特定技能外国人が外食業で担当できるのは、現場の直接的なオペレーション業務に限定されています。具体的には以下のような業務が対象です。

  • 調理業務:食材の下処理、調理、盛り付け、厨房の清掃
  • 接客業務:お客様の案内、注文受付、配膳、レジ対応など
  • 店舗業務:開店・閉店準備、備品補充、衛生管理 など

これらの業務は、飲食店として日常的に行われる作業に該当し、店舗内でのサービス提供を担うことができます。一方、管理職的なポジションやマネジメント業務、営業活動などは制度の対象外となっており、役職名などで業務範囲を曖昧にすることは許されていません。

また、外食業分野の特定技能1号の対象となる企業は、主に飲食店、レストラン、ファーストフード、フードコート運営事業などであり、業態によって業務内容も異なりますが、基本的には「店内のサービス提供業務に従事できること」が共通の要件です。

デリバリー業務は全てNGではない?制度の解釈と注意点

飲食店でのフードデリバリーサービスは広く普及していますが、特定技能「外食業」分野の在留資格で認められる業務には一定の制限があります。原則として、「店舗内での調理や接客など、直接サービスに関わる業務」が対象です。

そのため、単独での配達業務のみを担当する働き方は、在留資格の範囲外とされ、認められていません。

ただし、以下のようなケースでは、制度上対応可能と判断される場合もあります。

  • 店舗で調理・接客などを行い、業務の一部として配達を含むような働き方
  • 宅配専門店のように、店舗内で調理・準備し、その延長で配達に関与する形態
  • デリバリー業務を補助的に担当しつつ、店内業務にもしっかり従事している場合

一方で、以下のような業務は引き続き対象外です。

  • 専らバイクや自転車での配達業務(例:Uber Eats のような完全配送特化)
  • 飲食とは関係のない配送業務や運転業務
  • 店舗と無関係な営業活動や出張提供など

判断基準となるのは、「その業務が外食業として定められた職務範囲に含まれているか」という点です。業務内容を適切に区分し、在留資格に沿った就労となるよう企業側の管理体制が求められます。

在留資格外の業務に従事させると、企業・本人双方にとって法的リスクや資格取り消しのリスクもあるため、実務上の区分や記録はしっかり行いましょう。

そのため、採用前に業務内容を明確にし、在留資格で対応できる範囲を超えないよう確認することが必須です。受け入れ企業は、就業内容を雇用契約書や支援計画書に正確に記載し、定期的な業務内容の確認も実施する必要があります。

特定技能1号取得に必要な条件と試験制度

特定技能外食業分野で外国人材を採用するためには、対象者が所定の試験に合格し、「特定技能1号」の在留資格を取得する必要があります。試験は技能と日本語の2つに分かれており、いずれも合格することで就労が認められます。

外食業技能測定試験の内容と合格基準

外食業分野特定技能1号技能測定試験」は、飲食店で必要とされる基礎的な知識と技能を有しているかを評価するために実施されます。試験はCBT(コンピュータ・ベースド・テスト)方式で行われ、国内外の指定された会場で受験が可能です。
※日本国内では、マークシート形式のペーパーテストで実施される場合が多いのが現状です。

試験の主な出題範囲は以下の通りです。

  • 飲食店での調理に関する基本知識と安全衛生
  • 接客マナー、オーダー対応などのサービス業務の基礎
  • 店舗運営における作業手順やルールの理解

試験はおおむね60分〜90分程度で実施され、合格基準は60点前後とされています。ただし、開催回や出題内容によって変動するため、事前に最新の出題例や過去問の確認を行うことが望ましいです。受験申し込みは専用サイトから行い、必要書類や受験料も合わせて提出します。

合格者には合格証明書(pdf形式でのダウンロードが可能)が発行され、在留資格申請時に提出することになります。

日本語能力試験の要件と試験対策

技能評価試験に加えて、一定の日本語能力を有していることも条件とされています。これは、職場での指示理解や接客対応を円滑に進めるために必要不可欠なスキルです。

認められている日本語試験は以下のいずれかです。

  • 日本語能力試験(JLPT)N4以上
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

JLPT N4は、基本的な日本語の読み書きや会話が可能なレベルで、職場において日常会話や作業指示の理解ができることを意味します。JFT-Basicも同等のレベルで認定されており、いずれかの合格が必要です。

企業側は、採用前の段階で合格証明書の有無を確認し、不備がある場合は在留資格の申請が進められません。また、候補者によっては技能試験と日本語試験のどちらかが未受験というケースもあるため、早めの試験スケジュール調整が推奨されます。

これらの試験に合格した後、雇用契約の締結と必要書類の準備を行い、正式に在留資格の申請手続きに進むことができます。

外食業で外国人を受け入れる企業側の要件

外国人材を特定技能外食業分野で受け入れる企業には、制度に沿った受入れ体制の整備が求められます。雇用契約の内容や支援計画の作成、登録支援機関との適切な連携など、企業側に課される責任は多岐にわたります。制度を適正に運用するためには、各項目の要件を正確に把握することが重要です。

雇用契約・支援計画・登録支援機関との連携

特定技能外国人を採用するには、まず適正な雇用契約の締結が必要です。契約には、勤務場所、業務内容、労働時間、賃金、休日、保険の加入状況など、必要な情報を正確に記載しなければなりません。記載内容は、日本人と同等以上の待遇であることが条件です。

また、外国人を雇用する企業は、「支援計画」を作成し、その計画に基づいた生活・業務支援を行う義務があります。この支援には以下のような内容が含まれます。

  • 日本語学習や生活ルールに関するオリエンテーション
  • 住居確保や行政手続きの補助
  • 労働条件や職場環境の説明
  • 定期的な面談の実施とフォロー

これらの支援業務は、登録支援機関に委託することも可能です。特に初めて外国人材を雇用する企業にとっては、登録支援機関との連携が制度理解や実務運用をサポートする有効な手段となります。登録支援機関の選定にあたっては、出入国在留管理庁が公表しているリストを参考にすることが推奨されます。

受入れ企業に課される管理・報告義務

特定技能制度では、外国人材の受入れに伴って企業にも管理・報告義務が課されています。これは制度の適正な運用を確保するための重要な要素であり、以下のような取り組みが求められます。

  • 四半期ごとの定期報告書の提出(雇用状況や支援の実施状況を報告)
  • 在留資格の更新に伴う手続きや情報の変更通知
  • 支援計画の進捗管理と記録の保管
  • 不適切な労働条件や支援の不履行が発覚した場合の改善措置

さらに、受け入れ企業には、労働環境の整備やハラスメント対策、外国人材が安心して働ける社内体制づくりも求められます。制度はあくまで共生社会の実現を目的としており、受入れの一方通行ではなく、企業と外国人の相互理解と協力が重要です。

 

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採用から受け入れまでの手続きと実務フロー

特定技能外国人を受け入れるためには、採用決定後に複数の行政手続きや書類の準備が必要です。また、入社後の支援や定着フォローも含め、企業には継続的な対応が求められます。ここでは、在留資格の申請から受け入れ後の実務までを流れに沿って整理します。

在留資格申請の流れと必要書類

外国人が日本で「特定技能1号」として働くためには、在留資格認定証明書の交付申請を行う必要があります。これは、出入国在留管理庁に対して行う正式な申請であり、企業側が主体となって準備を進めます。

主な流れは以下の通りです。

  1. 技能試験・日本語試験に合格した外国人との雇用契約を締結
  2. 支援計画の作成、登録支援機関との契約(必要に応じて)
  3. 在留資格認定証明書交付申請書類の提出
  4. 証明書交付後、本人が国外の場合はビザを申請して入国
  5. 入国後、企業での勤務を開始

申請時に提出すべき主な書類は以下の通りです。

  • 雇用契約書
  • 支援計画書
  • 事業概要資料
  • 賃金台帳や就労規則(待遇確認のため)
  • 外国人の技能・日本語試験の合格証明書
  • 在留資格認定証明書交付申請書(出入国在留管理庁様式)

これらの書類は、正確かつ最新の内容である必要があります。不備があった場合は審査が長引く、または不交付となる恐れがあるため、事前の確認が不可欠です。

採用後の支援・フォロー体制の構築

外国人材を雇用した後も、企業側には継続的な支援とフォロー体制の構築が求められます。特定技能制度では、就労環境だけでなく、生活面での支援も重視されています。

具体的には以下のような取り組みが推奨されます。

  • 定期的な面談による就労状況の確認
  • 日本語の学習機会や社内研修の提供
  • 生活習慣やマナーに関するサポート
  • トラブル時の相談窓口の整備

これらの支援は、登録支援機関に委託することも可能です。とくに初めて外国人材を雇用する企業にとっては、支援業務を専門機関に任せることで制度違反のリスクを軽減しつつ、円滑な受け入れが実現できます。

また、受け入れ後も定期報告や在留資格の更新など、さまざまな対応が必要となるため、企業内でも担当者を明確にし、継続的な運営体制を整えることが重要です。

まとめ

特定技能外食業制度は、慢性的な人手不足に悩む飲食業界にとって、即戦力となる外国人材を受け入れるための有効な仕組みです。制度を活用するには、技能試験や日本語要件の把握、雇用契約と支援計画の整備、登録支援機関との連携など、企業側の準備が不可欠です業務内容の制限や在留資格のルールを正しく理解し、適切なサポート体制を構築することで、外国人材の安定した雇用とサービス品質の維持を両立できます。

 

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ABOUT ME
監修者:新田悟朗
【オープンケア協同組合 監事】 平成28年11月にオープンケア協同組合を設立。 監理団体としての許可、登録支援機関の登録を経て、現在は監事として従事している。協同組合の信頼性を担保し適切な運営がなされているか監査する。日本語教育機関の運営からグローバルな視点を常に持ち続けることで、日本が必要とする地域発展や多文化共生の考え方を中心として、外国人人材に関し専門的に活動している。